ガルバリウム鋼鈑屋根は腐らない笠木を使えば長持ちするのか?
横浜市金沢区からの屋根見積もり依頼。
ハウスメーカーの屋根で25年前に親が屋根塗装している。
雨漏りするようになったので屋根を取り換えようと思っているとお電話頂きました。
グーグルアースで屋根形状を見ながらお話させて頂いたのですが、屋根の野地板は杉板で屋根の重さも気になっているとのことでしたので屋根の葺き替えが最適とお伝えしました。
「あと20~30年住みたいし、何もおこらない工事を希望。」と見積をご依頼頂きました。
その後、担当者が見積もりにお伺いしようとしたところ見積もりに来なくて良いと断られたそうです。
他にも見積もり依頼していたそうで、その業者に「屋根の棟部に腐らない笠木を使うのは弊社だけだと言われ」、それなら依頼を止めた方が良いと考えたようです。
確かに当サイトでは笠木は腐る木材しか使うことはありません。
それには確かな理由があるのですが、それは後でお話します。
鎌倉市からの電話問合せ。
先日、鎌倉にお住まいのお客様から電話を頂きました。
ガルバリウム鋼鈑でのカバー工法を考えているのですが「お宅では棟板金の下地に、どんな材質の物を使うのですか?」という内容でした。(棟の下地板は通常、笠木・受木・桟木と呼ばれています)
「普通の木材です」と答えると。
実は「気になっている業者がいて、その業者は棟板金に腐らない樹脂や金属の下地を使う」とのこと。
その方が木材に比べて腐食や変形がないので雨漏りや強風の影響を受けにくいと言われたそうです。
「木材を使うなんて話にならない!」と、お客様は思われたようですが・・・(-_-;)
確かに腐らない樹脂や金属を売りにする業者もいます。
お客様からすれば、工事後の事も考え“親身になって提案してくれる業者”だと信頼してしまうのでしょうが、でも実は全く違います。
横浜市都筑区M様邸の屋根修理失敗例。
当サイトにご依頼頂いた例ですが
こちらのお客様は、屋根の棟包みが剥がれて屋根を修理した時、業者が「腐食も雨漏もしにくい」と言われ棟の笠木(下地)を樹脂(タフモック)に取り換えました。
しかし、その後どうなったか?
↓実例。
屋根の雨漏りは、樹脂や金属等の腐らない棟下地と何の関係もありません。
その証拠に、ガルバリウム鋼鈑屋根を製造するメーカー施工規準では、木材を使う仕様になっているからです。
屋根を長持ちさせるにはメーカー基準を100%守る事!
なぜ木材で良いのか?
その理由は、ガルバリウム屋根はカラーベスト・コロニアルなどのスレート屋根と性質が違い、施工法も全く違うからです。
●『雨水が入り込まない工事が基本なので棟の下地板は木材で良い』という屋根材メーカーの考え方。
つまり雨漏りを防ぐのは「下地板の種類」ではなく、あくまで「ガルバリウム本体」を加工する事で防ぐことが出来るし、そうしなければならない。
そのためには「メーカー施工規準を守ってガルバリウム本体を立ち上げ加工する事が必要」だという事なのです。
これが正しい棟部の工事方法です。(この工事は基準を遥かに超える工事になっています)
そもそも下地板は、樹脂下地を勧めた業者のように屋根本体の上に重ねて取り付けてはいけません。
正しい方法は、下地板(受木または桟木)を先に取り付けてから屋根本体を下地板の手前で納める。
その際、屋根本体を下地の手前で「90°上方向に立ち上げ加工して防波堤を作る」というようなイメージです。
こうする事で雨水は棟板金の下地板に到達できなくなり、棟の中心部から屋根材の裏面に入り込む事を完全に防げます。
金沢区のお客様が希望していた「あと20~30年住みたいし、何もおこらない工事を希望。」は、このメーカー施工規準を守らなけらば決して叶えられない「希望」でしかないのです。
【施工規準を守っていない業者の言い訳】
「弊社では、下地板が腐らないよう、雨漏りや強風の影響を受けないよう万全の対策を施しています」などと書いているのは、施工規準を守っていないことの証拠であり言い訳です。
もっともらしい嘘で手間や必要な材料を省き、費用を下げて解約できるよう視点をズラす事でお客様を騙しているのです。
その結果どうなるのか?
お客様が気付いた頃には下地だけでなく骨組みまで腐ってしまうなど、さらなる出費が必要になります。
後悔するのはお客様自身です。(骨組みまで腐ったM様邸の写真)